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第1回 なぜ今、グローバル人材育成が注目されているのか

今やテレビや雑誌、ネットのニュース記事などでも頻繁に目にするようになった、「グローバル人材育成」という言葉ですが、どうして注目されるようになったのでしょうか。世界各国が様々なスピードで成長する中で、日本がそのスピードに立ち遅れてしまったということが要因の一つとしてあげられます。今回の連載ではグローバル人材育成 ないしは グローバル人材教育 とは何か、そしてどのような基礎の上にスキルが育てられていくべきなのかを探っていきます。

本編に入る前に大前提として、以下の事についてお話しさせてください。
特に日本にてグローバル人材育成、あるいはグローバル教育などについて展開される時、なぜか世界の環境問題・人権問題・紛争などのトピックばかりで構成され、商取引というものが含まれません。私はグローバルの世界を理解するにあたり、商取引を除いた形で教育される事が大変バランスを欠いていると強く感じます。よって私はビジネスという言葉を商取引だけでなく、環境問題や紛争などのトピックも含めて表現してまいりますので、ご承知いただきますようよろしくお願いいたします。

1、そもそもグローバルとは何なのか?

グローバル人材やグローバル時代という言葉をよく耳にしますが、グローバルという言葉自体が具体的に何を示しているのかはっきりとは分からないという方も多いのではないでしょうか。今から20−30年前を思い出して頂くと、インターナショナルという言葉が世の中に多く見られ、会社名などにも ◯◯インターナショナルというものが多く登場したことが思い出されるかと思います。このインターナショナルという言葉のインターとは間という意味があり、2国間や3国間といった少数の国同士が繋がりビジネスなどを展開するようなイメージです。一方、グローバルの場合はより多くの数カ国あるいは数十カ国を相手として繋がり、より大きな規模での連携というイメージとなります。

つまり、
インターナショナル = 2−3カ国同士が繋がりあう
グローバル     = 数カ国〜数十カ国が繋がりあう

以上のような違いがあると考えると理解しやすいと思います。

 

2、多様性に対応できる人材の必要性 ー多様な文化に対応できる人材不足の解決の為ー

インターナショナルからグローバルへと規模が拡大したことに伴い、より多様性のある異文化との接触が増えたことも変化の一つとしてあげられます。例えば、以前はアメリカやイギリス、オーストラリアなどの、一般的にいう欧米諸国との交流が主だったのに対し、現在は
中国や韓国などの極東、シンガポール・タイ・マレーシアなどの東南アジア、中東、南米、アフリカなど、より様々な国々との交流が活発となっています。これに伴い、文化もより様々であり、商習慣も異なりますが、現状として日本人は日本と欧米の文化には慣れていても、アジアの国々や中東、アフリカなどの文化に慣れている人は大変限られており、これが日本のグローバル時代における対応の遅れの最大の原因と考えられます。

 

3、グローバルなビジネスに必要なこと、それはお客様となる相手の国の文化を理解出来る力

先に述べたように、各国異なる文化を持ち、異なる文化背景によって生活してる事から、求めているニーズも日本とは異なります。よって、グローバルなビジネスにおいて相手の事をより深く分析し最適な提案を出す必要があります。